けなげに

二歳の幼子が母のいない夜を過ごさなければならなくなりました。

病院の前で入院することを子供に言い含める母が、不覚にも先に涙を禁じえなくなっていました。しかし、この幼子はしっかりとこの事態を理解していました。ときおり寂しさに耐えようとするしぐさを見せました。自らに我慢しなければいけないことを言い聞かせるようにこらえる様子には、目頭が熱くなりました。この幼子は、一週間後無事に母と再会も果たしました。初めて見る妹が一緒でした。ところがこんどは母を独占する妹にやきもちがつのります。妹はかわいいでしょうと幼子に言い含める日々が続いてます。幼い心にわきあがる感情を理性で包むことを諭しながら、幼子のけなげな努力に期待しています。親バカならぬじじバカでした。