床上まで浸水して

台風10号で久慈市内が冠水しました。

床上浸水した従妹の住宅の片付けを手伝ってきました。周辺道路から住宅の中まで泥んこでした。箪笥の引き出しは吸水膨張したのか開けることができません。畳は泥水を吸って一枚の重量が数十kgにも達し、掴みどころが無く搬出するのに大の大人が三人がかりで四苦八苦でした。床上の泥を出して水で流しても、乾くと真っ白になってまた拭きなおし。廃棄する物を運び出すたびに長靴が泥だらけになり、これを洗うのに水を流してまた泥んこなる。泥の中で泥んこのゴミを廃棄することも大変でしたが、この廃棄物も浸水前は、立派な家財道具ですから勿体無くて虚しくて気持ちが萎えるばかりでした。ご近所さんが「こんなこと言ってはいけない」と前置きしながら呟くように「震災にあったばかりなのに、何で久慈市がこんな水害に遭わなければならないの」と吐露した声が耳に残りました。今こそ前向きにならなければいけないと思っていることは、ご自身の前置きでよくわかりました。モチベーションを上げるための呟きだったのでしょう。狭い路地に出した家具や廃棄物が近所の迷惑になりはしないかと時折聞こえる「すみませんね」の声に久慈市民の民度の高さを感じ、この人たちは早期に確実に乗り切るとの思いを強くして帰ってきました。